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STORY20
ハウスは温かい気持ちの
詰まったありがたい存在
ハウス利用者
松林 瑠美子さん
日本で初めての遺伝子治療を
受けるため滞在したハウスは
わが家のように過ごせる場所
でした
私には、3人の子どもがいますが一番上の佳汰と末っ子の亜美がAADC欠損症という難病です。2015年、日本で初めての遺伝子治療をするまでは寝たきりでした。しかし治療後は飛躍的に体の動きがよくなり、今ではカード遊びをしたり、自分でものを動かしたりと活発に行動しています。
2番目の子どもの紗希には、あまり手をかけてあげることはできませんでした。お兄ちゃんと妹が車いすなので行くところも限られ、また発作を見ながらの外出だったので本当にたくさんの我慢をさせてしまいました。
2015年に遺伝子治療を自治医大で始めるとき、私たち家族は初めてドナルド・マクドナルド・ハウスに滞在しました。家族で旅行に行くことがほとんどなかったので、ちょっとした小旅行の気分で3人子ども達はそれぞれに楽しんでいました。山形の自宅が
和室なので、テーブルとイスという自宅と違う環境を楽しんでいた佳汰と亜美。紗希とはキッチンで翌日病院に持っていくお弁当のおかずを一緒に作ったりして・・・自宅では一緒に料理なんてしなかったのに、なんだか不思議ですよね(笑)入院生活が終わって山形の自宅に戻ってくると「もう少し栃木にいたかったね」と話しているくらいみんなハウスが大好きみたいです。
ハウスに滞在しているとき、入院している子ども達が早起きなので、私も5時に起き、ハウスのキッチンで朝ご飯をよく食べていました。ちょうど同じ時間帯に他のお母さんもキッチンにいて・・・少し話すと病棟が一緒ということがわかって、そこからついつい山形弁がでて(笑)本当に自宅にいるような感覚でハウスに滞在していました。今でもそのお母さんとはやり取りをし、「今度ハウスに行くんだよ」などと報告しあっています。
ハウスの思い出そして現在
私たち家族がこれ以上、ドナルド・マクドナルド・ハウスに望むことはありません。患者家族がまさにわが家のように過ごせる場所、そこにボランティアさんの温かい気持ちが詰まっていて本当
にありがたい存在です。ドナルド・マクドナルド・ハウスを支援いただいている皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。