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STORY20
乗り越えられない
試練は与えない
その言葉を信じて
過ごしてきた日々
ハウス利用者
北原 幸奈さん
移植をしないと助からないと告げられたあの日
2010年1月16日、2444g、45センチの小さな女の子、りあなが産まれました。とても元気な女の子でしたが…黄疸がひどく光線療法を受けていましたが、便も白く、黄疸の数値が悪く16日目に県立中央病院へ転院することになりました。雪が降るとても寒い日だったことを覚えています。第一子ということもあり…一緒におうちに帰り、笑い合いながら生活することを夢見ていたわたしにはショックでした。大きな病院で検査した結果「先天性担道閉鎖症」という難病でした。体重が少なすぎたためすぐに手術はできず、体重を増やしてからの手術となりました。
その後、手術を受けて、術後、主治医から言われたことは、「いずれ肝臓移植をしないと助かりません」という言葉でした。涙が止まらず…「どうして健康に生んであげられなかったのか」、「こんな小さいのにどうしてこんな思いをさせてしまうのか」自分を責め毎日泣いていました。一度も自宅には帰れませんでした。みるみる肝機能は悪くなり、一年半後早くも移植が必要となってしまいました。
ドナーはわたしがなると思い、健康には一番注意してきたわたし
ですが、ドナー検査で悪性の甲状腺癌がみつかりました。先生から「お母さんはドナーにはなれません」と言われ…大泣きし絶望したことを忘れません。脳死を待つか、ドナーを探すか…。そんな時、わたしの妹が「わたしが助けるから」と言ってくれました。そして2011年9月28日、妹がドナーとなり生体間移植の手術を受けました。その後拒絶反応もあり大変でしたが、退院後は定期的な受診と薬の調整にて、入院することなく元気になりました。
いつも私たちを助けてくれたマクドナルドハウス
マクドナルドハウスは、5年前にドナーである妹が、栃木県の自治医大にある「とちぎハウス」を利用しました。とても綺麗で何より病院に近いことで安心して利用できました。物品もたくさん揃ってあり、何より安く利用できて、とても助かりました。そして今年の肝生検検査で「さいたまハウス」を利用しました。優しくハウスの方が声をかけてくださったのが印象的でした。いつも助けられているマクドナルドハウスには心から感謝しています。
移植から10年 娘は負けず嫌いのパーフェクトガールに
移植から今年で10年が経ち、りあなは6年生…シングルマザーのわたしを毎日助けてくれます。洗濯、お皿洗い、ご飯作り…全てこなせるパーフェクトガールです。体は小さいですが態度はでかい!「病気だからできないだろう、りあなちゃんは無理しなくていいよ」という言葉が大嫌いで負けず嫌い。ほんとに元気になりました。先生、看護師さん、わたしの家族、何よりドナーになってくれたわたしの妹に感謝して毎日すごしています。ドナーになれなかったわたしは、りあなが元気でいてくれる姿をみんなにみせていくことが…助けてくれたみんなへの恩返しだと思ってい
ます。乗り越えられない試練は与えないという言葉を信じて…毎日笑顔をモットーに生きています。
今現在のりあなは「保育園の先生になりたい」という夢を持ち、ピアノを頑張っています。負けず嫌いなので…できるまで頑張っています。NiziUが大好きで毎日踊っています。「わたしが病気でもみんなが助けてくれるから頑張る」と言って、笑顔で過ごしています。毎日の大量の薬と定期的の検査もあるけど、日々頑張っています。