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各ハウスの「いま」をお伝えしています

届け!しあわせのハーモニー 笑顔とともに ~100万人のクラシックライブさまを迎えて~

2024年06月21日 (金)

なごやハウス

こんにちは、「ドナルド・マクドナルド・ハウス なごや(以下「なごやハウス」)」ハウスマネージャーの持田です。

雨と暑さがやってきて、季節が夏へと移り変わろうとしている今日このごろ。
本格的な夏が来る前に、少し前のことになりますが、今年の春のできごとを振り返りたいと思います。

今年は、新型コロナウイルス感染症が5類に以降してから初めて迎えた春。
「なごやハウス」でも、3月2日に4年ぶりとなる「春」イベントを開催することができました。
今回のブログでは、この春のひなまつりイベントの模様と、イベントを通じてある挑戦をした女の子のストーリーを、ご紹介します。

 

きっかけは…

「春を迎える季節に、入院中の子どもたちやご家族に、少しでも春を感じてもらいたい・・・ 楽しい時間を過ごしてほしい・・・」

私たちに今できることを、みんなで考えていたある日、ハウスを訪ねてくれた瑠璃ちゃんご家族と久しぶりの再会を果たしました。

瑠璃ちゃんは、現在8歳の女の子。
2021年6月に嘔吐や頭痛などの体調不良から藤田医科大学病院に救急搬送され、緊急手術を受けました。
同年9月には2度目の手術を名大病院で受け、入院中にご両親は「なごやハウス」を利用されました。
当時は新型コロナの影響で、病院もハウスも厳しい制限がありました。
入院中の瑠璃ちゃんは、採血がつらく何度も大泣きし、不安で体調もなかなか安定せず、ご両親もつらい日々を過ごされており、話をしながら涙するママに、我々も胸が痛くなりました。

 

それから2年。

治療しながらも、ようやく日常生活を送れるようになった昨年末、ご家族でハウスへ遊びに来てくれました。

近況を伺っていると、瑠璃ちゃんが最近ヴァイオリンを習い始め、カノンを練習中であることが分かりました。

そこで、頑張っている瑠璃ちゃんの少し先の目標になれば・・・と思い、

 

「ハウスでヴァイオリンを演奏してみない?」と聞きました。

 

パパママは不安そうでしたが…瑠璃ちゃん本人は 「うん!」 とニッコリ♪
そして以前よりハウスでの演奏を考えて下さっていた100万人のクラシックライブ※さまに、瑠璃ちゃんのことをお話し、1曲でもいいので子どもたちも演奏に参加させてほしいとご相談したところ、是非一緒に演奏させてくださいとの嬉しいお返事をいただきました。


この瞬間、演奏会を中心に、ひなまつりイベントに向け、企画が一気に加速していきました!
きっと瑠璃ちゃんの練習も加速したのではないでしょうか。

※100万人のクラシックライブ:プロの演奏家の方々によるプロジェクト。日常に音楽があふれる街を目指して全国各地で演奏活動を行っており、各地のイベントやハウスでの演奏を通じて、ハウスをご支援くださっています。

 

そして当日。

プログラムは 「1部:100万人のクラシックライブ 2部:お話会」 。
子どもたちも主役にと考えた、「手作り楽器でみんな一緒に演奏しよう!」 企画は、感染症対策の為、内容を一部変更しての開催となりました。

久しぶりの大型イベントにスタッフもボランティアさんも緊張気味です。
演奏会場やエントランスのウェルカムボード、ハウス各所の飾りつけは、デザイン・制作すべて、ボランティアさんのオリジナル。
お花とピンクを中心とした、春をイメージしたデザインとなりました。
キッチンでは、ボランティアさんたちが3色の白玉だんごを手作りし、味は3種類。カップ入りで100個ほど準備しました。

イベントに参加してくれた子どもたちに、今日の思い出になればとプレゼントも用意しました。
ハウスに来てくれてありがとう・・・ これからも応援しているよ・・・ みんな元気になることを願い・・・
心を込めて、ボランティアさんがひとつひとつ準備しました。

ボランティアさん手作りの折り紙で作られた箱雛・・・立方体の箱を開いていくと、お雛さま・お内裏さま・三人官女に五人囃子が現れます!可愛いウサギなどの手作りクリップも子どもたちへのプレゼント。

楽器はペットボトルマラカスと、牛乳パックとボトルキャップのカスタネットを制作。ハサミで切った牛乳パックの角は丸くし、細やかな心づかいは忘れないボランティアさん・・・さすがです!


子どもたちみんなが「主役」になれる演奏会を目指し、子どもと楽器を作る予定でしたが、感染症防止の観点から、みんなで楽器を作ることは叶いませんでした。それでも、自分で選ぶ・・・ということを大切に、参加するお子さん一人ひとりに、ボランティアさん制作の楽器を自分で選んでもらいました。

 

さぁ13時。

いよいよ、第1部のライブ開演です!

会場は満員御礼! 車椅子やベビーカーの子どもたちも含め、約60席の客席が満席です。
奏者の自己紹介からスタートした演奏会は、曲間にヴァイオリンの成り立ちや仕組みをわかりやすいクイズ形式で学んだり、クラッシックから流行りのJ-POPまで幅広い曲に合わせて手作り楽器で一緒に演奏することもでき、会場は大いに盛り上がりました。

 

そしていよいよ、瑠璃ちゃんとプロの奏者による「カノン」です。

この日のために一生懸命練習してきた瑠璃ちゃん。自己紹介をして、しっかり前を見て堂々とした演奏を披露してくれました。

心配そうに見つめるパパとママ

1部の演奏終了後、演奏者みんなでパチリ。すてきな笑顔です。

瑠璃ちゃんは

「弾き始めた時には自分が『できた!』と思ってうれしかった。演奏が終わった後は、ほっと安心した」「またコンサートがあったら演奏したいな~ 次もがんばる!」

と、話してくれました。

 

ご両親は

「病気になり入院、手術、不安で大変だった頃を思えば、今生きてくれているだけで幸せ。当たり前の生活を送れることの喜び、幸せを日々感じ感謝しています。それだけに、コンサートに出演することが、『当たり前』ではないことに気づき、ゆったりしたカノンの音色が会場に響いた瞬間、涙があふれて止まらなかった」

と、おっしゃいました。

 

自信に満ちた眩しい笑顔の瑠璃ちゃんを見ていて、音のチカラ・音楽のチカラを感じ、胸がいっぱいになりました。ありがとう、瑠璃ちゃん!

 

そして第2部。

お話会は終始和やかな雰囲気で、演者の方への質問タイムもありました。

すてきな演奏、子どもたちの笑顔と笑い声がハウス中に響きわたり、あたたかな時間となりました。
最後は、今日感じた想いをパネルへ自由に描いてもらいました。


落書きも、お絵描きも、楽しかった想い出・・・。
メッセージには「心の洗たくが出来ました!」、「楽しかった」、「感動しました…」などの声が寄せられました。

 

瑠璃ちゃんママからこんなメッセージをいただきましたので、最後にご紹介します。

「『なごやハウス』に集まってくれた子どもたちを見ていて思いました。病気に立ち向かう子どもたちを見た時に感じる思いは、私たちみんな同じかもしれない、と。どんな未来が待ち受けていても、希望は常にあります。
このコンサートに関わってくださり、私たち家族、特に瑠璃にとって特別な思い出を作っていただいた皆さまに心から感謝申し上げます」

100万人のクラシックライブのみなさま、瑠璃ちゃんご家族、参加してくれた子どもたち、ご家族、ご支援くださった方々、準備から片づけまでをサポートし、演奏を聴き心を寄せてくださった ボランティアさんたち、スタッフ・・・ チーム一丸となって開催できたことに心から感謝申し上げます。

これからも病気と向き合う子どもたちとご家族に寄り添い、笑顔で過ごせるように願い、あたたかなハウスづくりをしてまいります。

感謝を込めて。

 

ドナルド・マクドナルド・ハウス なごや

~なごやハウスのX(旧Twitter)では、活動の様子や、物品寄付の募集・ボランティア募集などの最新情報を日々発信しています。ぜひフォローよろしくお願いいたします~

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